MESSAGE

代表取締役

田辺 良康

「当たり前の事を大切にする経営」

エンジニアとして感じた“やりづらさ”

私は大学卒業後、SI企業の正社員として勤務していました。縁あってその後フリーランスのエンジニアとなりましたが、いざフリーの身になってみると正社員時代に見えていなかった様々なことが見えてきました。当然その中で様々な技術者たちと出会いましたが、必ずしも全員が思うように能力を発揮できているわけではありませんでした。

ある人は、とても素晴らしい人間性を持っていて、人を引っ張る力もある方でしたが、会社からの評価が低く大変苦労されていました。またある現場では、年配のベテランエンジニアさんが、参画しているプロジェクトの中で弱い立場に立っていました。

私自身、時には思うようにコミュニケーションが取れない環境に身を置いたこともあり、「もっと思った事、考えている事を話し合い、協力し合うことはできないか」と常に思ってきました。

そんな中で、フリーランス時代にお世話になっていた会社の代表や、当時参画していたプロジェクトのメンバーから独立を勧められ、起業を意識するようになりました。その後、色々な方からのアドバイスや、本当にたくさんの方のサポートを頂いて、独立することができました。

一人でできることには限界がある

エンジニアという仕事は、ほとんどの場面で他のエンジニアと協力し、チームを構成して成果を出していきます。そんな環境に長くいるためか、私自身、一人の力の限界を思い知らされることが多々あります。

弊社を創業したきっかけにも通じますが、本当はやる気のある人達が協力して気持ちよく働ければ、その分成果も上がりやすくなるのではないでしょうか。そのためには、会社として働きやすい環境を用意する事はもちろん、一人ひとりが仕事や会社の事を誇りに思えるような環境を作っていかなくてはなりません。そんな事は当たり前だと言われてしまうかもしれませんが、当たり前のことだからこそ、とても丁寧に対応する必要があると思います。

それぞれ生まれも育ちも違う人同士が協力するためには、数々の気づかいや配慮、調整、ときには譲歩が必要です。私はこういった調整をコストとは考えません。丁寧に話を聞き、どうすれば関わる者全員が納得して進むことができるのか。もしその答えに一歩でも近づけるのなら、それは弊社にとって十分に価値のあるコストだと思います。

身近な安易さと、その先の真っ当さ

会社の運営に限らず、個人レベルでも想定外のトラブルは必ずやってきます。そんな時、少し疲れていたり他のことに追われていたりすると、つい安易な道に逃げたくなることもあります。しかし、技術者としてもそうですが、安易さや結果への妥協は自分自身の価値を下げ、将来必要になるかもしれない大事な信頼を失うことに繋がります。

会社と会社、個人と個人、どのような関係、いかなる場面でも安易な道に逃げたくなる気持ちと向き合って、本当にすべきことに注力できれば、きっと信用していただけるようになることができます。安易な道に逃げるのではなく、当たり前の事を当たり前に行うということを大切にしたいと考えています。

私たちの本当のお客様は、技術を提供している企業様のその先にいらっしゃいます。それはもしかすると自分の家族かもしれないし、私自身が使うサービスかも知れません。本当に良いサービスを提供するためには、お客様はもとより、その先のお客様のことも考えながら業務を進めていかなければいけません。そんな当たり前のことを大事にする経営を目指しています。

“違い”を知ることで“良さ”を見つける

現在弊社では、大変嬉しいことに30名近いメンバーと共に事業を展開させていただいております。当然の事ではありますが、誰もが一人ひとり違うバックボーンを持ち、考え方や目指す未来も違います。そんな中で全員が歩幅を揃えて歩みを進めるのは容易なことではありません。

弊社ではまず、社員一人ひとりとの会話を通して、違いをじっくり知ることを大切にしています。そのためにそれぞれ違いのある価値観や考え方を聞き、何を目指しているのか、どうなりたいのか、こういったことは日々意識して会話をしています。

と言うのも、社員は縁あって共に事業を行う仲間だと思っていますので、もし不幸にも道を違える事があったとしても、弊社に在籍していた事が本人にとってプラスになったといつか思ってもらえればそれだけでも嬉しく思います。私個人としてだけでなく、会社としても本人に何ができるか、どうすればプラスになるのかは常に意識しています。

人を想い本音で話せるスキルは、良いサービスの始まり

弊社では素直に人の意見が聞ける、本音で話が出来ることを重要視してきました。その理由として、システムづくりの現場では様々な顧客の要望や状況が存在します。 状況に応じて柔軟な考えや対応ができ、また他者への気遣いができなければ、人に役立つサービスは生まれないでしょう。

どのようなシステムでも、最後には誰か人間がその恩恵を受けることになります。人の気持ちがわかり、気遣いができる。誰かのために役立つ何かをしたいという気持ちが、良いサービスのスタートになると思います。

周囲のサポートをいただき、強い組織に

創業間もない頃、リーマンショックが世界の経済を揺るがしました。当時、弊社は会社としての基盤が整う前の時期だった事もあり、その影響を避けることができませんでした。立ち上げの重要な時期でしたが、共に苦労した多くの仲間を失い、会社として立ち行かなくなる寸前まで追い込まれました。この時に抱えた資金・メンバーの大きなマイナスをゼロにするまでにも数年の月日を要しました。

しかし、今の弊社があるのは、苦しい立場となった私たちを信頼して仕事を任せていただいたお客様と、見捨てずについて来てくれた社員がいたからこそです。

苦しい経験があったからこそ、私自身が人の気持ちを考えることの大切さ、大切な仲間を守る必要性について、改めてこの身をもって深く知ることができました。当時から支えてくださったお客様、社員には改めて深く感謝を伝えたいと思っています。

これからの私たち

ここ数年、弊社も順調に成長を続けることができ、会社として今までの仕組みを大幅に改善する時期に来ていると思います。まずは、企業としての基盤を固めつつ、新たに受託開発やプロダクト開発を通じたノウハウの蓄積を進めていきたいと思っています。

弊社ならではの強みを生かしつつ、ステークホルダーの皆様と協力し、社会をより楽しく、より便利にしていけるよう貢献していければと思います。また、一緒に働く社員にとっても、プライベートと仕事との両立と、それが仕事の成果に繋がるような、働きやすい環境を整えるための施策もまだまだ展開していきたいと思っています。

これからもまだまだ変化し続け、関わる人全員の納得を追求していく私たちを、何卒よろしくお願いたします。

代表経歴

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